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生身で覚えたものの一つに道具があります。かっぱ橋に行って道具を見るようになったのも先輩のアドバイスから。「いっぺんに道具を集めるのはたいへんなので、1ヵ月に1本ずつ気に入ったものを買い揃えなさい」と。かっぱ橋に刃物専門店があって、そこでビクトリノックスに出会い、パレットナイフ(スパチュラ)やシェフナイフなどを買い揃えました。シェフナイフはまかないでよく使いましたね。買い揃えた道具は、結構な数になりましたが、お世話になった人や跡を継いでくれる後輩にあげたりして手元に残りませんでした。気に入った道具を、気に入った人に渡して思いを伝える。その使いやすさをだれかに伝えたいという気持ちがあるんですね。お世話になった人に渡すのは、「ありがとう」という感謝の気持ちをこめて。 |
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憧れの「Madu」にやってきたとき、感激したのは修業時代と同じビクトリノックスが使われていたこと。旧い友人に出会ったときのような安心感を覚えましたね。「ああ、同じ道具を使っているんだな」と。
「Madu」はパリ帰りの桜井シェフが築いた店で、伝統の中に新しさを追求する本格派のパティスリ。小さくても濃厚。1個食べただけでも満足するような濃厚なコクと味わい。フランス菓子のエッセンスが詰まっている、そのスタイルを崩さないようにしつつ、新しいトレンドを大切にしています。秋冬ならタルトタタンバナーヌ(バナナのタルト)とか、飽きさせないものがおすすめ。エスプレッソのような深煎りのコーヒーを飲みながら、大人が楽しめるような甘さの中にも、苦みのある味を出しています。ぼくも大好きで、毎日エスプレッソとチョコを楽しみながら、タルトの台やカスタードクリームなど、仕込みにかかるんです。 |
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パレットナイフでクリームを塗ったり、
形を整えたり
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濃厚な味わいで人気のショートケーキ、
それがMadu流
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