インタビュー:ビクトリノックスな人々 主婦 石黒智子
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気に入ったキッチンナイフのある暮らしは素敵だ。

シャープナーでこまめに手入れする

映画の影響を受けて育った。
 子供の頃から映画が大好きで、放課後はよく映画館に通いました。ランドセルを売店に預けてスクリーンにかじりつき。まわりの大人からみると、ちょっと変わった娘だったかも知れません。でも、いまみたいに物騒な時代でなかったので、補導されることなく、大目に見てくれました。子供だから字幕は追わない。ただひたすら場面をみつめるだけです。好きな映画のシーンは何度も何度も観ました。そのうち間取りまでイメージできるようになって、この部屋の窓はどちらにあるはずだとかも想像できるようになりましたね。なかにはセットとロケを組み合わせた映画で、位置がおかしいなんて気づくようにもなりました。暮らしのスタイルやモノ選びの目というのはもしかしたら少女時代に養われたものかもしれませんね。
大いなる素人の発想で。
 結婚してすぐに子供が生まれて応募した保育日記がコンクールに入賞したり、雑誌の料理コンクールに選ばれたり、家を建てようという段になって住宅コンペに応募して入賞したりと、ラッキー続きでした。特別にデザインの勉強をしたわけでもないし、設計や料理の専門家でもない私の作品が選ばれたのは、プロが見逃しがちな大いなる素人のアイデア、発想が受け入れられたのだと思います。もしかしたら、子供の頃から外国の映画を観て知らず知らずのうちに身についた素養が役に立ったのかもしれません。映画で経験したビジュアルの世界がいまも私の意識のどこかに残っているのでしょう。ちなみに私はMacintoshの愛用者ですが、トム・ハンクスとメグ・ライアンの『ユー・ガッタ・メール』の影響なんですよ(笑)。
壁にマグネットをつけて収納

ポリプロピレンハンドルが持ちやすい
キッチンナイフは全部ビクトリノックス。
 たったひとつの道具があるだけで仕事が楽しくなるってこと、ありますよね。料理でいえば包丁。まな板の上でよく切れるのは当たり前だけど、皮を剥いたり、へたを切り取ったり、傷んだところを取り除いたりと、持ち替えたときにも扱いやすいのがいい。うちは包丁がたくさんあるんです。パン切りナイフやシェーピングナイフも入れると12本。全部ビクトリノックスです。同じ長さの洋包丁が2本あるのは、私には家庭用のポリプロピレンハンドルがしっくり持ちやすく、夫と息子にはフィブロックスハンドルのほうが太くて握りやすいから。日本ではあまりなじみのない「トマト・ベジタブルナイフ」はトマトを薄くスライスするためのナイフですが、それ以外にも例えばクロワッサンサンドを作るときにはクロワッサンにきれいに切れ目をいれることができるし、キュウリやセロリをギザギザにカットすることもできます。サラダやピクルスは切り口をギザギザにすれば箸から滑り落ちないでしょ。それに、フィッシュ・フィレナイフは刺身包丁としても、煮魚のカレイやアナゴの滑りをそぎ落としたりするのにも重宝してます。カービングフォークとチーズナイフは私の宝物(日本では未発売ですが…)。いつも清潔に使えて切れ味が落ちないように自分でこまめに手入れのできるのが私の理想です。切れ味が悪くなったら、シャープナー(包丁研ぎ)を取り出してお手入れします。専門の包丁研ぎに出す必要もなく、力を使わなくても簡単に研げるのが便利です。
種類もサイズもいろいろ。
 ビクトリノックスが好きなのは種類とサイズがたくさんあるから、自分に合ったものを選べること。一度に買い揃えて、たとえひとつなくしても、ずっと作り続けてるからまた同じものが買える。少しずつ計画的に買い足していくこともできる。欧米の台所道具はデザインは素敵でも日本人が持つには大きすぎたり重すぎたりということがあるでしょ。でもビクトリノックスのカタログをみてびっくり。スパチュラなんて10cmから31cmまで9サイズもありますよ。使いよさはひとそれぞれ。作業内容、使う頻度、手の大きさや体力、収納方法でも分かれます。それに好みもありますからね。私は一番小さい10cmのスパチュラがお気に入り。今日焼いたガーリックトーストもこれがあるからバターと他の材料が手早く混ぜられ、パンにもきれいに塗ることができて、後片付けも簡単なのよね。 それにビクトリノックスは収納までしっかり考えてある。うちは家を建てた25年前から壁に棒状のマグネットをつけて包丁を収納してましたけど、ビクトリノックスはマグネットのほかにカトラリーブロックも数種類用意してます。道具がきちんと整理収納できるって心地いい。
軽いのがいいと思うようになってきた。
 台所道具でよく一生ものなんていいますけど、比熱と熱伝導率がいいからと高価な銅鍋を買っても、銅の比重はアルミの3倍、鉄やステンレスより重いから歳がいってからは持てませんよ。結婚した頃は若かったから道具の重さなんてまったく気にならなかったけど、45歳を過ぎた頃からかしらね。だんだん重さが辛くなってきて20cm以上の鋳物鍋は処分。18cmは蓋を軽いガラスに替えました。土鍋を買い替える時は蓋のないものを選んだり、テフロン加工のフライパンの柄は切り落として短くしたりと自分なりに工夫もしてきました。まな板は厚みを3.5cmから2.5cmに薄くしたら随分軽くなりましした。包丁も重いものが上等だと思っておりましたけどね。切れる包丁なら軽いほうが楽ですよ。

自ら設計したキッチン棚


石黒智子(いしぐろ・ともこ)
神奈川県横浜市在住。主婦として料理、写真、保育記録、子ども服のデザインなど数多くのコンクールに入賞。自分で設計した家が200冊を超える雑誌に掲載され雑誌や新聞等で暮らしについて執筆、商品開発の仕事にも携わる。 著書に「大人のための素敵な良品生活のすすめ」PHP研究所。ほぼ毎日更新するHPにはファン多数。http://www.amy.hi-ho.ne.jp/luy-ishiguro/i_tomoko/
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