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小学生の頃から図画工作が大好きで、時間がありさえすればプラモデルに夢中になっていました。船、飛行機、自動車…いろいろなものをつくりましたね。中学生になって、商社に勤めていた父から、ヨーロッパ帰りのおみやげとしてもらったのがこのビクトリノックスでした。思春期にもらった思いがけないこのプレゼントは無言のメッセージを秘めており、なんだか大人へのパスポートのような気持ちで、手にしたことを記憶しています。
一般的にビクトリノックスというと、アルピニストや冒険家が使うアウトドアのものというイメージがあるようですが、ぼくは逆に室内でものすごく使っていました。机のひきだしの中にこれ一つあれば、なんでもできる。なんでもつくれる。魔法の力を得た少年のようにいきいきとしてものづくりに向かっていたように思います。そういう意味では、ぼくは室内の小さな冒険家だったのかもしれません。 |
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プラモデルには小さなプラスチックのバリがあるでしょう。一つの作品をつくりあげるのに相当数のバリを取り除くのですが、この面
倒な仕事をするのにとても便利なんです。このビクトリノックスには、とげ抜き、ドライバー、ナイフ、ワインオープナー、缶
切り…いろいろな道具がついているのですが、そこらのとげ抜きやドライバーよりも、ビクトリノックスが使いやすいのです。たくさんのツールが集まっているから便利なのではなく、一つ一つが道具として成り立っている。そこがスゴイと思います。みせかけの十徳ナイフではないんだということを身をもって体験しましたね。ビクトリノックスを手に入れてから、実にいろいろなものをつくったり、壊したりしました。モーターのついた機械の中をのぞいて、小さな部品を外したり、再び組み立て直したりして、時間を過ごしました。市販のプラモデルだけでなく、無からつくるオブジェのようなものにもチャレンジしていました。男心をくすぐるなんともいえない魅力があるんですね。 |
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