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旅行中、いつも首のまわりに大事なものを吊り下げていました。シャツの中に入れて、人目にふれないようにね。そうしないと、盗られちゃうんですよ。ビクトリノックスはよく盗まれると聞きますね。いいものだから。でもインドの時は笛とコンパスと、安物のナイフと、エマージェンシー・カプセル。それがわたしたちの全財産でした。エマージェンシー・カプセルとは緊急用のカプセルで、何かあったときのために、身元がわかるように、名前、年齢、血液型、連絡先などを書いた紙を入れておくんです。インド旅行から帰ったら、すぐに本物のビクトリノックスを買いましたね。それ以来、習慣になって、どこに行くにもビクトリノックスとエマージェンシー・カプセルを肌身離さず携帯しています。ほら、いまもキーホルダーにつけてるでしょ。お守りみたいなものかな。インドのほかにもメキシコとかアラスカとか、北朝鮮とか、旅は本当に好きだから、いろいろと行っています。どこへ行くにも、実感するのがビクトリノックスのよさ。実用的で丈夫で、自分に合っているから、愛着がある。カッコいいし。普段は貧乏上手なんですけど、これっ!て思う一品には、いくらお金をだしても構わないという気持ちです。これまでいろいろな人に出会ってきましたが、ビクトリノックスを持っている人って、たいてい気があうんですよ。個性的な人が多いし、価値観や興味が合うから、話しもはずむんです。
本名は「あゆみ」ってひらがなで書くんです。「歩く」と言う意味で付けられたのですが、いつだったか、母と漢字あそびをしているときに「歩海」の漢字名が生まれたんです。「海を歩く、それだ」…一瞬のうちに感じるものがあって、すぐに気に入りました。
生まれは岐阜県の土岐市です。近くに多治見、瀬戸があり、焼物の町ですね。父はイギリス人、母は日本人です。父は探検家でほとんど家にいない。日本語もできない。小さい頃は「ヘンなガイジン」とか思って反抗していました。父のことを尊敬できるようになったのは、大人になってからですね。ひょっとしたら、父はすごい人かもしれないって思えるようになりました。たまに会う時、朝方までケタケタ笑いながらお話したりしています。 |
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